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「グローカル天理」巻頭言集 井上昭夫


2006年5月号
天理教東アフリカ・ウガンダ布教への期待

 現在、天理教はアフリカ大陸において、コンゴ共和国とケニア、そしてウガンダの3ヵ国で布教伝道を展開している。1962年天理教中山正善二代真柱によって始められたコンゴ伝道は40数年の歴史があり、1982年に開始された「餓えた子にミルクを」の全教的運動が契機となり始まったケニア伝道は20年近くの歴史をもっている。今回筆者が訪問したケニアの西方、タンザニアの北西に国境を接するウガンダ共和国は、まだ布教師が入国して10年もたっていない。これら天理教アフリカ伝道3拠点の布教活動が辿った道は、その成果と課題において共通のものもあれば、独自のものもある。異文化伝道史に見られる個人的・組織体制的な試行錯誤から学び、それらを徹底的に比較検討することは、アフリカ伝道の未来に貴重な教訓を与える。机上の伝道理論や精神論だけでは、異文化伝道圏での真の信仰の土着化は望めない。
アフリカ大陸伝道に際しては、アフリカ諸国が持つ激動の近代史を踏まえ、それぞれの言語的・社会的・経済的・政治的現状を適確に把握することが大切である。しかし、一方忘れてはならないのは、日本においては滅多に経験することが出来ないアフリカにおける布教師の壮絶な布教体験の悩みや苦しみ、そして感動に触れることである。こういった体験への共感は、アフリカ伝道への新たな力強い動機を天理青年にもたらすという意味でも大切だし、布教師の伝道活動における内面的・精神的な問題を突破するためにも役立つ。
 筆者は本年3月、ウガンダにある1)天理教真誠ウガンダ布教所(渕和分教会)、2)Tenrikyo Mission Center of Uganda(南浦分教会)、3)天理教キグング集談所(男能富分教会)の3ヵ所の伝道拠点を視察した。

1)の山崎敬充(29歳)所長は所属教会がNGOのAAA(Asia and Africa Association)の活動を開始した1996年にウガンダを初訪問している。布教所はウガンダ第2の都市マサカ市から30キロほど奥の山間地帯・ナプトングワ村にあり、無医村への医療巡回などを通して7年前より布教を開始した。布教所はいま地主より立ち退きを迫られている。移転を節として山崎は、NGO活動と平行する方法から、布教活動一本への切り替えを望んでいるようである。
2)の石原藤彦(37歳)センター長は2003年5月より首都カンパラ市の貧民街で単独布教を開始、同時に空手道場を開いた。ようぼく4名(うち英語検定講習前期修了2名)、信者約200名。2年前より家族を呼び寄せ、ウガンダ日本人会副会長をもつとめている。
3)の集談所長はレイモンド・キャリンゴンザ(22歳)で、2004年のはじめエンデベ空港の近くビクトリヤ湖沿いの漁村・キグングで単独布教をしていた五十嵐仁(44歳)にマラリアで危篤のところを救けられ、修養科英語コースを2005年修了後、北海道の所属教会で3ヵ月の住み込みの修養を終えている。現在、天理教語学院(TLI)に在籍。将来、教会はこの若き所長を中心にウガンダ伝道の土着化と自立化を目指す。現地では左官や土建業を職業とする信者達が小さな集談所の普請をほとんど自力で完成した。今回の筆者のウクンバ大学における招待講演は、同大学ユナス・ルベガ教授(ようぼく)の要請に応えて行ったものである。

 ウガンダに見られる自立的単独布教専従の海外伝道のかたちは、アフリカ伝道では珍しい。ウガンダにおけるすさまじい谷底生活での不思議なたすけの噴出は、布教師の魂を勇ませずにはおかないだろう。平坦な恵まれた生活環境を神の守護と勘違いしていては、神の奇蹟は吹き出してこないことを学ぶ。

 
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